袖のまくり方|『絶対落ちない』から『綺麗』までの全5種類


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今回はシャツの袖のまくり方を5種類ご紹介していきます。

シャツのまくり方といっても、通常は肘を出すまでまくるかどうかくらいで、2回まくるか3回まくるかくらいの差しか意識されることは無いかと思います。
しかし、詳しく見ていくと袖のまくり方にも様々な方法があり、それぞれ『まくりやすさ』『ずり落ちにくさ』『着ている人の印象』『袖の戻しやすさ』に少しずつ影響を与えます。
メンズのファッションと言えば、TPOに合った着こなしや歴史的な背景を理解した上でのコーディネート!今回はそういった部分も含めて、深掘りしていきたいと思います。

シャツをまくることの歴史的背景

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歴史的には元々衣服が高価だった時代に、仕事中にシャツを傷つけないためにシャツの袖をまくっていました。特に現代と比べると農作業や炭鉱での作業、ものづくりといった仕事が多かったため、余計衣服を傷つけやすい環境が多かったであろうことも想像できます。

また、古い西部劇の映画なんかを見ていると、袖をまくりあげる所作を見せ、決闘に臨む男の決意を描くといったシーンを混ぜていることがあります。このように袖をまくるということは、何かに備えたり準備をするといったイメージが強かったようです。

現代ではより広い意味合いを持つ

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もちろん今でも、例えば料理を作る時やデスクワークに向かう時に、袖を汚さないよう・腕を動かしやすいように、もしくは単純に気温が暑いから袖をまくることも多いかと思います。

しかし同時に、仕事終わりに少しリラックスしたいとき、もしくはカジュアルに着こなすときにややラフでワイルドな雰囲気をかもし出したいときなど、来ている人が気分や自身の印象を変えるという目的でもロールアップされるケースが多いです。

それでは、ひとつひとつ見ていきましょう。

まくり方① 2回まくり

カフスの幅で外側に折り返していき、肘よりやや下までまくりあげるスタイルです。この記事では2回まくる方法で説明していますが、この時何回まくるかはカフスの幅や生地の厚さで変わってきます。大体は2回まくる、もしくは3回まくることでこの長さまでまくることができるでしょう。

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まずカフスの幅で一回外側に折り返します。
カフスよりやや脇寄りの部分を剣ボロと呼びますが、多くのシャツではここにボタンが一つついているかと思います。この2回まくりだけでなく、腕まくりをする場合はしっかりカフスとこの剣ボロのボタンの両方を外してから行うようにしましょう。

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続いてもう一度、同じくカフスの幅で折り返します。
2回まくりはその名の通り、これで完成です。

普段袖をまくる時は、もちろんそこまで深く考えることもないとは思います。そんな時は自然とこのようなまくり方になってくるので、この2回まくりが最もポピュラーで目に付きやすいまくり方でしょう。

2回まくりは見た目もベーシックですし特にひねりを加えているわけでもないため、とてもリラックスしてゆったりとした雰囲気になります。そのため、カジュアルテイストのチェックシャツ等の前を開けて着る時や、ワイシャツでも仕事終わりに飲みに行く時などがおすすめ。一番バランスの取れたまくり方ですね。

まくり方② 3回まくり

続いて、2回まくりにもう一度多く折り返しを加えた3回まくりです。

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一度カフスと同じ幅で外側に折り返し、

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もう一度折り返します。ここまでは2回まくりと同じです。

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そして最後にダメ出しの折り返し。全体で3回腕をまくっているので、腕が大胆に露出し、肘より上に袖のラインが来ます。

このあらわになった腕から、3回まくりは印象としては男らしさやスポーティーな印象になります。
その反面ややリラックス感やおしゃれな感じが弱まるので、どちらかと言うと実用性の高いまくり方。暑い夏や激しい動きをするような時に利便性重視でまくりたい時におすすめです。

まくり方③ マスターロール

まくり上げたカフスの裏地を少しだけチラ見せするおしゃれなまくり方です。この作り方は下記です。

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まずカフスの倍ほどの幅を一気にまくり上げます。

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そして逆さまになって裏地が見えているカフスの上にかぶせるように、二度目のロールアップを行います。この時にカフスの裏地を出しすぎないのがポイントで、大体1cm~1.5cm程ちょっと見えるくらいに留めるようにしましょう。

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腕の内側から見るとこんな感じ。カフスの裏地が表地と違う柄になっているシャツがありますが、そういったシャツだとうまく裏地を使ってお洒落な雰囲気を出せるのでおすすめです。そういえばカフスの裏地が違う柄だったな、というようなシャツを持っている方がいれば、この機会に是非挑戦してみてほしい腕のまくり方です。

また、2回まくりと同様に収まりがよく腕がシュッと見えるので、少し綺麗に腕を出したいような場合、例えばオフィスなどでも使えるまくり方だと思います。

ちなみにこの方法は袖を元に戻すのも楽で、そんな時には

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カフスの部分を反対側の手で少しグッと押し出してあげて、

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ちょい見せしていたカフスを摘んで引っ張ってあげることで、するっと袖をもとに戻すことが出来ます。

まくり方④ ミラノまくり

続いて、イタリアのお洒落なおじさまたちがよくファッションに取り入れているという、ミラノまくりです。
ファッションの番組やコンテンツでよく登場する干場義雅さんにも紹介されるような、着こなしに気を使ったまくり方。その名の通り華やかで色っぽい見た目になるのが特徴です。

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まずマスターロール同様、カフス2つ分程袖を大きくまくります。

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続いて、裏返ったカフス手前ギリギリまでもう一度袖を折り返します。

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そして残ったカフスの部分を、こんどは逆に戻すように折り返します。カフスが肘の辺りにゆったりと開くように落ち着いたら完成です。

腕の内側からも見てみましょう。

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最初に大きく折り返した袖をもう一度、カフス手前の所まで折り返し、

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余ったカフスを手首の方向にパタンと折ってあげます。

こうすることで、カフスは全体をそのまま見せつつも腕が露出されます。さらにカフスは折り返した分美しく開くので、エレガントな雰囲気になります。
美しく開くと言えば、シャツの前立から繋がった襟が羽ばたくようにカーブを描いていく『イタリアンカラー』。このミラノまくりも同様に、露出する肌とその周りのシャツの綺麗なフォームが大人の魅力を引き立てる、なんともジローラモな着こなしです。

なお、このミラノまくりもまくった袖を元に戻すのがとても楽で、

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カフスの部分をそのまま摘んで、

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グッと引っ張るだけで元の袖にすぐに元通り。

全体的にマスターロールよりもまくるのも戻すのも比較的楽なまくり方。お洒落な腕まくりとしては結構有名なのもうなずけます。

まくり方⑤ 内側まくり

暑いから・作業をしたいから腕をまくっても、意外とすぐにずり落ちてしまうことがあります。例えば洗い物をしている時に腕をまくったのに気づいたら落ちてきてしまい、何回もまくり直したといった経験をお持ちではないでしょうか。特に細い糸で出来た薄い生地のシャツなどは、サラサラとしてまくった袖をキープしにくかったりします。

この内側まくりはそんな時に有効。いくら腕を動かしてもビクともしないような持続性の高いまくり方です。このまくり方の方法は下記です。

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まず一度カフスの幅で内側に袖をまくります。

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続いてもう一度、同様に袖をまくります。このようにまくった部分の袖が完全に隠れ、七分丈シャツのような見た目になったら完成です。

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腕の内側から見ても、まくった部分が全く見えません。

通常袖をまくる時は当然外側に折り返すようにまくりますが、反対に袖を内側に巻き込むようにまくると、シャツと腕の間に摩擦が発生し、さらにシャツの中で袖が折れるのに十分な遊び(隙間)がなくなるため、袖を落ちにくくする効果が生まれます。

このように高い利便性を誇るまくり方。反面見た目は七分丈のように見えるのにどこか袖が膨らんでしまう、やや不思議な印象になってしまいます。

そのため、炊事洗濯掃除など家事全般のシーンにておすすめの方法です。

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